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Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第5章 素顔の君

『フゥ・・・~~いいお天気♪』




公園に着くと
カンナは機嫌良さそうに深呼吸した







・・・なんだよコイツ(笑)







『~~・・・なんか飲む?』



オレは公園のベンチのそばの
自販機を差した







『ぁ・・・うん・・・っ』





カンナはニッコリ微笑む







『肩凝りそーな生活・・・』




オレはカンナにジュースを渡しながら
なんとなくぼやいた







『え・・・?』







『塾だの…クラス委員だのって

疲れそうな生活だな』







『べつに・・・~~仕方ないじゃん

って言うか、あたし塾は行ってないし』






オレの単純な先入観で

成績のイイやつは
塾だのなんだのって

徹底的に受験対策とかしてるって
勝手に思い込んでたから

成績優秀で、長期休みには
バイトまで頑張ってしまうようなカンナを

なんて忙しいヤツだろうって
つい、思ってしまったんだ





あ・・・でもね別に


カンナに対して
そんな嫌味や皮肉を
言いたかったんじゃないんだ



オレが言いたかったのは・・・






『勉強は学校で出来るんだもん

わざわざ塾なんて行く必要ないよ♪』






『いや、そうじゃなくてさ』






『うん?』







『もっと…自由でいたい、とか

思わないワケ?』







ベンチに並んで座るカンナは
オレを見上げてキョトンとした







『???・・・私は…自由だよ?』








オレには…とてもそうは見えなかったから








『もっと…遊びたいとかさ』








『うーん・・・特に不自由してないかなぁ』








『あぁ、そう(笑)』









嫌味や皮肉を言いたかったんじゃない






オレは…ただ







オレの本音は







あの夏の日に

ひまわり畑で見たような





自然体で

本当の

素顔のカンナそのものみたいな





さっきみたいな不意に見せる

ニッコリとやわらかく笑う顔とか





そんなカンナが・・・好きで





そんなカンナの素顔を





もっともっと見ていたい






そう思ってただけなんだ・・・多分

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