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Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第4章 素直な心

『・・・』


地面に尻をついたまま
立とうとしないカンナ





『~~・・・』



そこまで真に受けて

ドン引きする事ないだろ



まったく…やってられないよ






『滝川くん・・・・・・』







『あのなぁ葉月・・・だから

さっきの〃アレ〃はなぁ・・・!』









イチイチ言わないとわかんないのかよ

コイツは・・・












『・・・・・・・・・立てない』







『・・・』






カンナは…ただただ

腰を抜かしていた・・・。












冷静に考えれば

そりゃそうだよね







例え理由がどうであれ

上級生に呼び出されて

それも二人がかりで

凄まれるようなことされて

うろたえないヤツなんかいない





しかもカンナは




どんなに真っ直ぐでも

毅然としていても




カンナは…やっぱり

女の子だし








『・・・。ほら・・・』



オレは少し屈んで

地面でもがいてるカンナに

手を伸ばした





『・・・~~』




『ゆっくりでいいから・・・』






オレはカンナのちっこい手を握って

少し時間をかけて

ゆっくりカンナを起こした





小刻みに

脚が震えているカンナ










『だから・・・言っただろ』








『ぇ・・・』






『余計な事に・・・・首突っ込んでると

こういうことになるから

だから・・・やめろって・・・』







『・・・』







『変に正義感なんかもつと

自分の首絞める事に…なりかねないぜ

これで、わかっただろ・・・』







本当は…わかってたんだ





カンナは

頭が悪い訳でもなければ



そういう…世の中の仕組みだとか

子ども社会のルールみたいなのを

わかってないわけでもない




空気が読めないとか

そういうんでもない





それでも・・・わかっていても





知らん顔できない




そういう子なだけだ・・・・ってこと

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