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友達から恋人へ

第1章 ~友達から恋人へ~

「本当に学校には居場所がなかったから…転校するまではずっと、家に引きこもってたんだ…。
家だけが、唯一の居場所だったからね…。」

家にいる時が、幸せだったな…。

「そうか…なぁ、もしかして昼飯が海苔巻いたおにぎり3つだったのって…。
引っ越しや転校とかの費用と、今の学校の学費とかで?」

ははは……夏枝君は鋭いな…。

「一応、お父さんが置いて行ってった慰謝料の200万と、銀行に預けてるお母さんのお金があったから、まだ当時は大丈夫だったんだけど…。」

まだ普通には暮らせてるけど、今日までにいろいろかかったから…。

でもその内、お金貯めないといけなくなってきたから、お母さんは…パートをするようになったんだ…。」

「日暮も節約するために、海苔巻きおにぎり3つを?」

「うん、さっきから思ってたけど夏枝君って鋭いね」

僕がそう言うと、夏枝君は僕を抱き締めながら頭を撫でてきた。

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