
裏小屋
第5章 逃げる
そして、フォアグラをみんなで分け、気合いを入れた。
どうしよう……と、考えている時……。
桝本が「よし……いってやる」と立ち上がった。
この濁流の中を渡ろうというのだ。
どう考えても無謀で危険な行為だ。
だが、ここで朝を迎えても、この流れが静まるとも考えにくい。
ここに留まるのは、誰も望んでいない。いつ、小屋の恐怖が押し寄せてくるのか、それが耐えられなかった。
桝本は、自分が先頭に立っていく。腰を落としながら、歩幅を広げて進もうと、四人に伝えた。
足を川にいれる。一瞬、足をすくわれそうになる。
相当な量の水が流れ、濁流となった川の幅は広くなるが、それほど重みはなく、歩幅を広げている分、水の流れを促すため、負担を軽くさせる。
後ろの者は、前の者のリュックのヒモを掴んで、同じように川を渡る。
一番後ろに、背が高く重量がある石柿を置いたが、なぜか勝山が一番後ろに追いやられてしまう。
これは石柿が自分勝手に「俺が行く」と前に立ったために起こった。
体の軽い勝山を前と後ろで支えて渡るようにしたかったのだが、勝山も負けず嫌いなためか、後ろから逆に石柿を支えてやると意地でわたりだした。
どうしよう……と、考えている時……。
桝本が「よし……いってやる」と立ち上がった。
この濁流の中を渡ろうというのだ。
どう考えても無謀で危険な行為だ。
だが、ここで朝を迎えても、この流れが静まるとも考えにくい。
ここに留まるのは、誰も望んでいない。いつ、小屋の恐怖が押し寄せてくるのか、それが耐えられなかった。
桝本は、自分が先頭に立っていく。腰を落としながら、歩幅を広げて進もうと、四人に伝えた。
足を川にいれる。一瞬、足をすくわれそうになる。
相当な量の水が流れ、濁流となった川の幅は広くなるが、それほど重みはなく、歩幅を広げている分、水の流れを促すため、負担を軽くさせる。
後ろの者は、前の者のリュックのヒモを掴んで、同じように川を渡る。
一番後ろに、背が高く重量がある石柿を置いたが、なぜか勝山が一番後ろに追いやられてしまう。
これは石柿が自分勝手に「俺が行く」と前に立ったために起こった。
体の軽い勝山を前と後ろで支えて渡るようにしたかったのだが、勝山も負けず嫌いなためか、後ろから逆に石柿を支えてやると意地でわたりだした。
