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裏小屋

第4章 テントの中で

 雨は激しさを増し、川も濁流と化していた。


「おい、やばいぞ、増水するんちゃうか?」


 高橋は、急いでファスナーを閉めた。


 テントの位置は、川から離れており、やや高めになったところで設営したため、大丈夫かと思われた。

「いや、問題ないと思うけど……」

 桝本は冷静に判断をしたが、予想だにしない豪雨でやや判断に迷いが出ていた。

 ラジオは天気予報を伝える。

 全員、ラジオに耳を傾ける。

『近畿各地の予報です。大阪は現在は曇り、所によって小雨が降っていますが、明日は全般的に晴れるでしょう。兵庫県、現在は雨、○○山方面は、いま雨足も強く、この雨は明日の朝まで続く見込み。風も強くなっていますので外出されている方は、充分ご注意ください……』


 現在いる場所に雨の予報が出た。

 石柿がテレビで見た予報結果に、誤りがあったのか?

 高橋が問い詰める。

「おい、なんか言うてることが朝と違うぞ。天気予報、ちゃんと見たんか?」

「見たよ……見たけど……雨って予報はあったけど、大丈夫やと思ったんや」

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