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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第27章 飛べない鳥・・・

ドクン・・・ドクン・・・





『・・・』





皮肉なモンだな

こんな時に

俺の最も忌み嫌う

どうしようもないクズ親父の記憶が

甦えるなんてよ





ヤツが振り上げたワインの瓶は

思いがけずに俺の記憶を甦らせ

俺を動けなくしてしまった








おいおい




俺さ……体のタフさは自信あるけどな


そんなモンで顔面


脳天…叩き割られたら


さすがにギブアップだぜ?


テメェ・・・さすがにわかってんだろうな?












ガコガコ・・・ガコガコっ・・・ガコ





『ゆぅちゃん!!ゆぅちゃんっ…!!

カズキっ……やめてよぉっ…!!!』




開かないドアを必死に押し開けようと
マリアが大声をあげている









『~~…』




『・・・死ね』









万事休す・・・今度こそ










『カズキっ!!やめて!!!

やめてっっ……いやぁぁぁぁっ!!!!』









『・・・』






俺は・・・目を閉じた・・・








『ダメぇっ・・・』








『・・・』













『優人・・・っっ・・・』

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