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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第27章 飛べない鳥・・・

『ゆぅちゃん・・・っ!?』





床に手をつき

ヤツに向けて頭を下げた瞬間

叫ぶようなマリアの声がした







『お願いです・・・』



『・・・』







ガタッ・・・




『っ・・・はなしてっ……

~~ゆぅちゃん!?

ゆぅちゃん、やめてよ・・・っ』







マリアがヤツの手を振りほどいて

俺の側に駆けてきた……のがわかった







『ゆぅちゃん・・・なんて事してるの?!
ねぇ・・・顔を上げて?

どうかしてるよ・・・っ
もうやめて?・・・お願い』






マリアが俺の肩を揺さぶって
必死に止めてくる









『・・・話にならん男だな』











ヤツの冷たい声がした






そりゃ、ごもっともだな



アタマのイイあんたなら

もう少しばかり

マシな方法を思い付いたかもしんねぇな







『まりあ……話は済んだ

もう帰ってもらえ……』





『~~~…』




『・・・』








『おこがましいにも程がある

頭が悪すぎだ……非常識を通り越して

気でも狂ってるのかお前?』







『あなたの言うことは…もっとだ

だけど・・・聞いてもらえるまで

ここを動く訳には行きません』







『ゆぅちゃん・・・っ』





マリアがより一層
俺の肩を強く揺すって
顔を上げさせた





俺を見下ろすヤツと…目が合う





『最後の情けと警告だ

無駄な悪あがきはやめて

新しい地でせいぜい頑張るんだな…フフッ』

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