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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第25章 二人の部屋・・・

『ちっちゃい子みたい…(笑)』




俺の視線に気づいたマリアが
吹き出しながら笑った






『食べたいの?(笑)・・・はい』



『・・・』





差し出されたリンゴを
黙って受けとる




『すごく重たくない?
きっとみずみずしくて甘いよ♪このリンゴ』





『・・・』





キュっキュっキュ・・・




俺はTシャツの裾で
リンゴの表面を拭いて




・・・カリっ









ひとくち・・・




豪快にリンゴをかじった






シャリシャリ・・・





『~~♪…??』





隣のマリアが、キラキラした目で
その感想を待つように見上げていた









『・・・ウマ…っ』






『ほんとっ???やっぱり~♪』






目をパァっと輝かせたマリアに
自然とそのリンゴを差し出す






『めちゃくちゃ甘い… 食ってみ?』







『ふふっ…おいしそう♪
なんかウケるね?リンゴの丸かじりなんて』






マリアが果汁の滴りそうな甘いリンゴを
ニコニコしながら見つめていた







『マリア……恐いか?』





『??・・・なにが?』






『いや・・・べつに』







禁忌を犯す・・・永遠に楽園から追放される



それは・・・







『~こわくなんかないよ・・・♪』







『・・・』






マリアの答えたそれが…

俺の思うような意味だったかどうかは

わからないけど







カプ・・・っ





マリアが小さな口で一生懸命に

俺のかじった所に重なるように

リンゴをひとくち・・・かじった





シャリシャリ・・・




『んっ…?!ほんとら!あまぁ~い♪』





ニコリと微笑んで
頬袋を膨らましてモグモグしてる







『おぃひぃ~~♪』







『だろ?♪』








『ん♪…はい、ゆぅちゃん』








果汁でベタベタになる手



俺とマリアは



甘いリンゴを代わり番こにかじりながら

並んで歩いた

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