テキストサイズ

かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第24章 二人だけの誓い・・・

『ねぇ・・・ゆぅちゃん?

これから、どうするの…』





まず一番しなければならない話が出たのは
ホテルを出てしばらく歩いた街中






紛れもなく…人生で初めての


後先考えずに飛び出した


そんな逃避行の先に


一番初めに上がる問題と…現実









『駅から20分…てとこか?』



地方都市…中々の賑わいを見せる
繁華街にたどり着く



『店も多いし…便利そうだな
今日は、この辺で泊まるとこ探すか』



『うん…ぁの、でもさ…その』





旅行に来た訳ではない…
行き当たりバッタリな生活

そんなモンを
無鉄砲に続けるなんて無茶苦茶だ

俺はマリアと話し合わなければならない






『夕飯…食ってから話そうか』







『ホテルのチェックアウト何時だっけ?
それまでに済まそうか』








繁華街で地元の名産品を使った料理に
舌鼓を打ちながら

俺たちは肝心な話はどこ吹く風で
何気ない話や笑い話ばかりしてた





『おぃひぃ~~、ゆぅちゃん
少しとりかえっこしようよ♪(笑)』


『(笑)おぅ、食え食え
そっちのもうまそうだな』



少し痩せ細っていたマリアが
うまそうに食事してる姿を見て
俺は少しだけ安心してた




『こんなご飯の美味しい所に
たまたまたどり着くなんて天才ね(笑)』


『おぅ…まぁな(笑)』






結局、荷物を抱えたままホテルを出て
夜の街を歩く羽目になったが





『マリア、祭やってるぞ♪』


『わぁ♪ホント、お盆祭かな?見ていこうよ』







終いには地元の祭に夢中になってみたり






『かき氷食べようよ♪』

『いいなソレ♪最高』




控えめに…だけど
どこか解放されたように

はしゃいでるマリアが
めちゃくちゃ可愛かった



もっともっと…コイツの
こんな笑顔が見たかった

ずっと…マリアをこんな風に
マリアらしい笑顔にさせてやりたかった



『ゆぅちゃ~~ん!!!
わたあめ食べる~?チョコバナナもあるよ!』



『・・・ぅっぷ…(汗)…
イイ食いっぷりだな、オマエ(笑)』





マリアが・・・笑ってた




それだけで…意味がある




俺は少しだけ自分を納得させた

ストーリーメニュー

TOPTOPへ