
かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第20章 二人の罪・・・そして罰
〃いたい・・・っ〃
マリアは起こる事を予測する本能のように
咄嗟に強く目を閉じた
『・・・』
〃あれ・・・?〃
そのタイムラグに違和感を感じ
そっと目を開ける
〃え・・・?〃
自分に向けて
振り下ろされるであろう
夫のその手……腕が
宙に吊られたように
止まっていた
『チッ……おいっ!…なんだっ!?』
次の一瞬でカズキの怒声が響いた
『あの・・・そういうのは
マズイんじゃないデスカ?』
〃・・・そんな…っ〃
マリアは目を見開いた
