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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第18章 捕らえられた・・・かごのとり

『・・・』

吐き気がして目を覚まし
朝になると足首に鎖を巻かれ



マリアは四角い部屋で
ボーっとしていた


マットの上で膝を抱えて
ぼんやりとしている


出口がないことはわかっている
同じことは繰り返しても無駄だ




〃『それがわかるまで、こうしていろ』〃




なんて言っていた…




逆を言えば…逃げる意志がないと
思わせればやめるかもしれない






マリアは一人じっとしていた






それを裏付けるように
帰宅したカズキは

動かずに〃そこにいた〃マリアをみると
どこか満足げだった






『・・・~~っ・・・トイレ』

『フフッ・・・あぁ、ちょっと待て』








〃この男は…「飼い慣らせ」ば満足する…〃





マリアは無理な脱出を諦め


鈍ったり麻痺していく感覚と
闘いながら機会を伺う覚悟をした



〃諦めない…私はここには戻れない

諦めたら……これまでのことが

全て水の泡・・・〃








夜は酒を飲まされて眠り
朝の目覚めは最悪だった




〃従っていれば…カズキは油断する

いずれ…隙が出来る〃





マリアは日中
カーテン越しに外を眺めて空気を吸い

〃まともな感覚〃をなくさないように
努めていた





『~~っ……うっ…うっ…』





まともな感覚を・・・

それを意識すればするほど
置かれた状況が…そして夫が怖くなり
すぐにでも逃げ出したくなる



密室に閉じ込められる閉塞感と
外部から遮断された孤独感で

そんな感覚を保つのは
想像以上に難しいものだった



〃大丈夫・・・必ず出られる〃




『でも……仕事はさすがにクビかな』




〃ただでさえ迷惑かけっぱなしなのに
無断欠勤までしちゃった・・・〃





『それから・・・~~…うっ…うっ』



〃・・・・・・ゆうちゃん〃





マリアはうずくまって泣いた




〃ゆうちゃん…心配してる・・・よね

ううん……今度こそ呆れてるかな

あれだけ言ってたのに・・・

どうしよう……連絡もできない

出来たとしても、心配かけるだけかな…

私・・・ほんとバカだ〃














コンコン……





『・・・、?』







コンコン……






『マリア・・・』






『?!…』

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