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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第18章 捕らえられた・・・かごのとり

正直ただの脅しだと
心のどこかで思っていたマリアは


背筋がゾクゾクとして
しばらく玄関を動けなくなっていた


家の中で脅し程度に拘束して
こちらが諦めるかと思っていたのか
なんともお粗末な・・・





ではなかった…


それもそのはずだった



唯一の出口・・・玄関を
外から施錠してしまえば

どうあがいたって外には
出られない



マリアはよろよろと
部屋に戻る…


もうひとつ…出口があるとしたら


ベランダ・・・




地上…何階のマンションの・・・





〃そんなの……当然無理だもの〃



ここを出口に選ぶなら

それはイコール死ぬこと…

そう言ってるようなものだ









『~~っ…!!』


マリアはマットに突っ伏して
頭を抱えた








チラリ…


目にとまるのは
カズキが置いていった雑誌の山




さりげに一冊手に取る…






『・・・っ!』



その表紙を見て
マリアは雑誌を壁に投げ付けた








『あぁ・・・もぅ…っ』



マリアの手が震えた



荷物からケータイを出して…




警察・・・?




〃でも……なんて言えば…〃




頭がぐちゃぐちゃとしてきたマリアは
次第に冷静さを欠いていく





『~~っ…』




目からこぼれる涙は


悔し涙・・・





いや・・・




一番は・・・





〃怖い・・・〃






マリアの体が震えていた






〃あの人は・・・こわい

何を考えてるのか

本当になにするかわからない

こわい・・・こわいよ〃




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