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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第29章 果たされぬ・・・約束

『っ…グス・・・~なれるよ
エリカなら、必ずなれる

エリカは…人の痛みがわかる
弱い者の力になってやれる

それが、子ども達でも
困ってる人でも…誰であっても

エリカは…そんな人たちを
助けてやれる人になれるさ』



傷ついた心で
無茶苦茶な家出をして

男に裏切られ
更に傷を負った

家出娘・・・エリカ




思わぬ所で俺が出逢った家出少女の
急激なまでに成長したような姿に

俺は本当は・・・何故か
メチャクチャ泣きそうで

親かよ俺は(笑)って
ちと自分に失笑してたりしてさ





『ユウト・・・泣いてるの?』





『バカ・・・なワケねぇだろ(笑)

~いいか?エリカ~?
お前はまだまだこれからだ

いっぱい経験しても良いけどな
悪い男には二度と引っかかるなよ?』





『う・・・うんっ』







『〃うん〃…かよ(笑)

~相手に一途なのは良いけどな

親の言うことはもう少し聞け?』






『は…はぁ~い…』






『〃はぁ~い♪〃…じゃなくて
〃はい〃だ(笑)

いいか?エリカ
くっだらねぇオトコと
簡単に〃寝る〃んじゃねぇぞ?

ヤるなとは言わねぇ
ちゃんと責任と計画性をもって…
避妊はちゃんとしろ?いいな?』






『ふふっ…~はぁい

ユウト?…周りに人とかいないワケ?(笑)』






『あ・・・~~?!

や・・・バカ、お前…だからなぁ』





『ぷっ・・・あはははっ♪

やっぱユウト楽しい、マジウケる(笑)』






『バ・・・バカ、俺は真面目に言ってんだ
~そういう事は

エリカを…本当に大事にしてくれる
ヤツとだけにしろ

人を大事にするにはまず自分を大事にだ
エリカが…心も体も許せる

そういうヤツと巡り逢ったら
今度はちゃんと

ちゃんと・・・幸せになれよエリカ』








俺は親にでもなった気分で

新たに踏み出して行くエリカを

送り出す言葉を探してはかけていた









『はい・・・♪』






『頑張れよ・・・エリカ』






『はいっ・・・♪』








『うん・・・ヨシ』








『だから・・・ユウト?

ユウトも、幸せになってね?』

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