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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第29章 果たされぬ・・・約束

『なぁエリカ…家には連絡したのか?』


朝メシ食いながら
ついに俺はエリカにそれを聞いた






『ぅ・・・ううん』






いざ、帰ろうとしても
エリカにしてみれば不安だとか
様々な気持ちにかられるのだろう…






『親の番号…全部、着拒してたから・・・』






『マジかよ…;💧お前さ…それ

心配どころか…捜索願とか

出されてんじゃねぇだろうな!?』






『それって・・・エリカは

指名手配ってこと?』







『ちがう!バカ!・・・(汗)
やっぱバカだお前…!

あ~~と…
とにかく・・・

明日には
帰るんだぞ?・・・エリカ?』







『・・・』







『エリカ・・・?』








『ちょっと・・・ちょっぴだけコワイ』








『エリカ・・・』








『エリカ・・・ただでさえ
親とケンカしてたし

勝手に家出までして
なんて言って…帰ればいいかな、って

帰ってこなくていい…

出ていけって…言われるんじゃ
ないかな、って・・・』








その年齢らしい…それらしい
本音をもらして

うつむくエリカは
どこか可愛かった







『クス・・・フツーに帰ればいいと思うぜ』








『フツー・・・に?』








『そ・・・フツーに

〃タダイマ~~!〃って』







『え・・・ぇ~~・・・ぅん』







『父ちゃんのゲンコツ一発くらいは
覚悟しといた方が良いかもしんねぇけどな(笑)

ちゃんと・・・謝って

したらエリカの両親は
きっと許してくれる

それ以前に…エリカが無事に帰れば
それだけで喜ぶと思うぜ?』






『~~・・・』



不安そうに…

それでいて照れくさそうに

エリカは顔を赤くする






『どこなんだ?』



『え?』






『実家・・・どこなんだよ?』





『・・・ぅ…と』







『送っていく』

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