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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第29章 果たされぬ・・・約束

およそ…ひとまわりも年下の
家出娘の言うことに

内心、心を揺らされながらも
俺は笑ってごまかしながら

少女の声に
耳を傾けていた






『ま…エリカ、バカだからさ』






『クス・・・案外そうでもないかもな?』






『~~っ・・・エリカは…!

オトナみたいな…ごちゃごちゃ考えんの
キライってゆーか…苦手なんだもん

女を殴る男と、不倫する男と
どっちが悪いかなんて

考えたら誰にでも
バカでも!エリカでもわかるじゃんか!

つぅかさ!しょーがなくね?!
好きになったらさ!

てかさ!ただ人助けだけ好きな人なんか
いるワケないじゃんか!

そんなのさ
それこそキレイごとじゃね?!

男が女のこと好きになんのは
普通じゃんかっ

それを不倫とか法律とかゆっちゃう?!
そゆのオトナの事情とかゆっちゃうの?

マジダッサイし!
オトナとかマジダッサイし!!』






『ぷはっ・・・~ハハハハハっ…!』




しまいには、またヤンキー気味になって
半ギレしてるエリカに

俺は…つい
吹き出していた





『はぁ?!笑うのユウト!?』





『ハハハっ…~わりぃわりぃ

エリカには…敵わねぇな、と思ってさ』





コイツみたいに…真っ直ぐに

世の中の波だとか

越えられない壁に向かって

生きてける人間が…多くいたら

どんなに良い世の中だろうな

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