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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第29章 果たされぬ・・・約束


『なに・・・それ?どゆイミ?』




『~…エリカが…
いつか結婚したとする

そのエリカの旦那さんに
どこかの…知らない女が

ちょっかい出して…仲良くなったり
そんなことしたらエリカどう思う?

エリカは…どうする?』








『~~そんなのっ!
マジギレすんに決まってんじゃんか!!

人の彼氏…ダンナに手ぇ出すとか
イミわかんないし!!

テメェ!なに人の男に手ぇ出してんだ!
って、その女をひっぱたきにいくよ?!

エリカは浮気なんかしないし
だから、するヤツはマジ嫌い!

サイテーだと・・・っ

って・・・。・・・え?』






エリカが…目を丸くして

俺をそっと…見上げた










『俺が・・・したのは、そういう事』










『ぇ・・・』








『今、エリカが言った

〃サイテーの事〃を…したんだ』








『~~…』








『彼女には・・・夫がいた』











『それ・・・不倫…ってこと?』






『・・・』




エリカの顔を見るのが恐かった?
さぞ軽蔑するだろうから?


案外…そうでもない俺がいて


何か吹っ切れたみたいに
遠くを眺めていた







『クス・・・〃ドン引き〃

・・・ってヤツだろエリカ?』






『・・・~』







『〃人のものは盗ったらいけない〃

そんな…誰でも知ってるルールも
守れないヤツが

オトナだの常識だのって語られちゃ
笑っちまうだろうよ…

ハハ……ごめんな?エリカ』









『それだけ・・・?』






『うん?』






『ユウト・・・が、ただ

そんな事するなんて…なんか

エリカは思えない』








『それだけだよ・・・』



そこに…理由なんか
あろうがなかろうが…同じなんだ

何を言い訳したって
罪は…同じ罪だから


それを・・・他人に、世間に
わざわざ言い訳する必要なんか

どこにもねぇんだ

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