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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第29章 果たされぬ・・・約束

『エリカ・・・大丈夫だぞ』



『っく…ぇぐっ…ひっく』




『エリカは…すっげぇ
悲しい思いも…辛い思いもしたよな

だけどな…その分
今よりもずっと、強くて優しい子に
必ずなれるから

したらエリカは、きっと
良い保育士にだってなれるし

いつかは…良い
母ちゃんにだって…きっと
必ずなれる』






『っく…エリカなんか

バカだし…もう、エリカのことなんか

だれも…パパやママも』





『エリカはまだ子どもだ
間違ったらやり直せばいい

ちゃんと謝れば
パパやママはきっと許してくれる

エリカが…頑張れば
きっと応援してくれる

エリカにはまだまだ
それだけの可能性と時間があるんだ

だから大丈夫だ…!!

家に帰れるまで
ここにいればいい』






『うっ…えっ…えっ・・・ぅぁぁんっ』







初めて見せてくれた

あどけない少女の…本来の

あどけない…幼い

それらしい姿



俺に見せてくれた

本当の本当の…その本音は




その純粋さや、一途な心を

ズタズタに踏みつけられて

悲鳴をあげていた








『エリカは本当は…すげぇいい子なのが

俺にもわかるから

俺がわかるんだから

エリカの父ちゃんや母ちゃんは

絶対もっと知ってるはずだ

だから・・・大丈夫だ』






『ううっ…ぇぐっ…あぁっ…うぁぁぁんっ』






『クス・・・最初から素直に

子どもらしくしやがれってんだ(笑)ヨシヨシ』









『エリカ、産みたかったよ…本当に』





『・・・。・・・うん』







『赤ちゃんにひどいことした…』








『・・・。・・・』








『エリカは地獄に堕ちる

バチが当たったから…彼氏と・・・』








『違う・・・エリカ、絶対に違う』






『っく…うっ…く、うっ…う…』







エリカは泣きじゃくる一方で
次第に俺の服を掴んで離さなかった


甘える場所がなくて…不安で
寂しくてたまらない、子どものように






『エリカ・・・もう寝るぞ?

ほら…ベットで寝ていいから』








『うっ…く・・・一緒に…寝てもいい?』






・・・。

ためらわれた…もちろん、メチャクチャ










『・・・今日だけだぞ』

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