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『ちがうもん・・・！！』




『エリカ・・・』




エリカはついに声を大にして反論した




『エリカの彼氏は違うもん！！』





そういう子は…みんな、そう言うんだろうな

そう…思いたいんだ






『エリカ・・・聞いて？』




『やだっ…』







『ただ、自分の側に置いて置きたくて

束縛して…傷つけて思い通りにしようなんて

そんなのは・・・愛じゃないぜ』






『ユウトが何を知ってるの…っ』








半端なこと言ったり

何かをごまかしてるようじゃ…

伝わらねぇかもな








『本当に…本当の

相手の幸せを願う人を

俺は知ってる』







『っ…？！』







『そんな人に出逢って…教えてもらった』









『え・・・』






『・・・』







『それ・・・ユウトのお母さん、とか？』







『親にも…教わったかもな

でも…ちがう・・・別の女性(ひと)から

その人から…一番たくさん教わった』








『・・・』







『だから…俺も必死こいて考えてた
どうすんのが…コイツが一番幸せなのかな

コイツが…コイツらしくいれるには
笑顔でいれるには
どうしたら良いかな……って

今も…将来もずっと
幸せに笑っててほしいな、って

単純に…そういう事を、自然に
当たり前に考えれるように…なった』







『ユウトの・・・彼女？』




『・・・』








『元カノ？・・・～…好きな人？』








『・・・。

だから…ソイツが幸せでいる為には

俺が一緒にいたり、一緒にいようとするのは
間違ってるって…何度も思った

ソイツが幸せになれるなら
そばにいなくても…いい

自分のものにしなくてもいい、って』






『なんで？…好きなのに…別れるの』








『それが…ソイツに教えてもらった

思いやりだとか・・・愛情

エリカの父ちゃんが…本気で

エリカの幸せを願うのと似てる』







『ユウト・・・その人が好きなのに

好きだから・・・あきらめたの？』







『・・・』

そんな…綺麗な話でも

美談にされることでも

なんでもないんだけどな…