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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第29章 果たされぬ・・・約束

「幹事が潰れるなよなぁ~~(笑)

それじゃ、お開きにしましょうか」




「うふふふ……楽しかったです

皆様ごきげんよう」





潰れた先輩をタクシーに押し込んで
解散になる



もちろん…と言うように

ペアになって帰っていくカップル(?)を

見送りながら

俺は、さっさと帰ろうとする・・・が?







〃あ・・・〃






ポツン…







先輩が必死こいて口説いてた

例の美人な人妻サンが

取り残されてしまったではないか







素通り・・・って訳にゃ


いかねぇよな?やっぱ







『ぁ……タクシー・・・』




「うふふ・・・あら、ありがとう

ご一緒にどう?送っていくわよ…」






『…いえ・・・自分は』





「ふふ・・・なら送ってくれるの?

ありがとう、嬉しいわ」





『ゃ・・・その』






なぜに・・・そうなる?








『~~……』




ノーとも言えず

俺は人妻サンとタクシーに乗り込んだ








『家・・・どちらですか?』



「~とりあえず出してくださる?」




俺…でなく

タクシーの運ちゃんに言う人妻




おいおい…あんたも飲み過ぎか?

勘弁しろよな





『あの・・・』




「ねぇ?この辺の方?」







『??…俺…スカ?

あ~……一年くらい前に転勤で…』






「うふふ・・・やっぱり?

なんだか雰囲気が違うと思ったわ」







『あ・・・それより、~すみませんね』







「???」








『良い先輩なんスけどね……ハハ』







この人と良い感じに意気投合してながら

潰れるなんて失態をおかした先輩…



…に、代わって

とりあえずは詫びておいた








「ふふ…なんだ…〃そんなこと〃?」






『え・・・?』








『いいのよ・・・私』








『ぁ・・・の?』








なぜにアンタ
急に酔いがまわった風?



なぜに寄りかかってくる?




でもって、なぜに




腕絡めてきやがる?











『私・・・あなたの方が

タイプだったから・・・』










おい…おいおい



なんて日だ?

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