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無邪気とも言えるような声色で

暗い空気を払うように

あっけらかんと言ったマリアが



それでも、その気持ちが

やはり俺の胸を切なく締め付けた



そう割り切れることなんかじゃ…ない





『ふふふっ・・・ゆぅちゃん

信じてないでしょお？』




『ｸﾞｽっ・・・んなんじゃねぇよ』






『単純に・・・嬉しかったの』






『え・・・』






『あの時……ゆぅちゃんの姿みて

うそでしょ？！って思いながら

私・・・単純に嬉しかったの』





『～～・・・？！』






『ゆぅちゃんがいる、助かったんだー！
なんてね？

私・・・いつもそうだったから

あの時だって、おんなじだったよ

ふふっ……バカで呆れちゃうでしょ？』






『だけど…俺は…結果として・・・』






『そんな・・・なんの欲も利もない
自分を守ることまで忘れて

そんな心で…相手を思った人を
誰が責めるの？…少なくとも私は

これっぽっちも、そんな気持ちに
ならない……なれないの』






『～～・・・っ』






『それが・・・本当の私の気持ち』






『うっ・・・っ～～』






『最後まで・・・本当ありがとう

謝るのは・・・私の方

ゆぅちゃん・・・ごめ』







『っ・・・やめろ、マリア』






『ゆぅ…』






『やめろ・・・マリアも、マリアこそ』





『ふふ・・・じゃぁ

お互いに・・・ごめんはナシね』





〃お互い様〃…の比重が

ちっとも違う……本音はそう思ったけど


お互いを苦しめ続けるお互いの罪悪感なら

その言葉は…交わさない方が良い


俺は…マリアの言葉にうなずいた




離れた場所にいても

例え会えなくても


〃一生かけてマリアに償おう〃


心の中では

そんな事を誓いながら


俺はマリアに謝るのは封印した