テキストサイズ

かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第27章 飛べない鳥・・・


いってぇ・・・




さぞかし・・・いてぇ




そんな風に思ってた俺は

不思議な感覚にみまわれた





痛くねぇや・・・





死んだら何も感じないとか言うしな?





こういうのを言うのか













『・・・』




他人事みたいに呑気な感覚で

俺はゆっくり目を開けて

その先の景色を見た






何も感じないはずなのに

感じている






人のぬくもりと・・・肌の匂い







なんで・・・?












人のぬくもり


それは





俺に覆い被さってる


その人の体温






俺の目に見える

ポタポタと

俺の顔に滴り落ちている

赤い物は、さっきのワイン








ではない・・・







冷たいワインじゃない



生暖かい…



俺の・・・目の前の・・・















『・・・!?・・・っ・・・マリア!?』

ストーリーメニュー

TOPTOPへ