誰も見ないで
第3章 好き
それと合わせて指を包帯で巻かれて、完全に曲げられなくされる
「曲げちゃダメ……なんですか」
「当たり前でしょ。その方が早く治るから」
あんまり使うと突き指も再発したりするのかな?
「はい、終わり。体育の残りの時間は見学してなさいね」
「ありがとうございました」
あっという間の処置が終わり保健室を出る
「そこまで大きな怪我じゃなさそうでよかったです」
「そうだね」
そんなことを喋りながら体育館に戻ると、ちょうど全試合が終わるところ
点数は当然正樹のチームの方が断然高い
バスケ部の多かった紺野君のチームに勝てたら後は正樹には敵なしだね
「紺野、渡辺戻ったか。もう終わりの時間だから並びなさい」
「「はい」」
先生にそう言われて俺たちが座ってると、他の生徒も号令をかけられて集まってきた
先生からの総括があったけど、その後はすぐ解散
教室に戻るために歩いていると
「あっ」
紺野君が突然声を上げた
「どうしたの?」
「利き手が使えないのだとしたら、午後からの授業とお弁当……どうしましょう」
「あ……」
確かにそうだ
食べにくい、どころじゃない
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