誰も見ないで
第3章 好き
本当にライバル心燃やしてる感じだけど楽しそうでいいな
そんなことを考えていると
「それじゃあ次の試合やります。整列して下さい」
俺たちの試合で審判をやってくれるらしいチームの1人が俺たちに声をかけた
ぞろぞろ一列に並ぶと、目の前に紺野君
「礼!」
「「「「っねがいしゃーす!」」」」
審判の掛け声で礼をすると、さっきのバスケ部の人たちがふざけ半分の大きな声で挨拶をした
それに2人で目を合わせてくすっと笑う
「よろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします」
そして僕、紺野君の順番で小さな挨拶を交わした
ジャンプボールはチームの中で1番背の高い俺が正樹によって選ばれた
いや選ばれた、というより当然のように背中を押された
「かっこいいとこ見せてあげなよ」だって
相手バスケ部なのに
頑張るけどさ
相手チームから出てきた背の高い男の子は俺を見るなりキッと視線を強める
「渡辺、お前にも負けん」
話したことなかったはずだけど、俺にまで敵対心燃やしてるのはどうして……
でも
「俺も、今回だけは負けないよ」
言い切ると同時に試合開始のホイッスルが吹かれた
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