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誰も見ないで

第18章 最後の


するとそのマップの裏には遊園地のマスコットキャラクターに関するプロフィールみたいなものが掲載されていて

そこには確かに、テディベアを量産するクマのキャラクターが描かれている

そしてそのキャラの説明には


『お友達が寂しくならないように、たくさんのぬいぐるみを作ってプレゼントする』


と書かれていた


「なるほど。プレゼント用に作ってあげてるんだ」
「可愛いよね」


ニコニコ微笑みながらそのキャラクターを眺める瑞稀君が、なんとなくぬいぐるみを欲しがっているように見えて


えい


俺は持っていたぬいぐるみの両手を持って、瑞稀君に抱きつくように首に腕を回した


「わっ……なに?」
「あげる」


俺がそう言うと、瑞稀君はきょとんとしながら俺を見上げてくる


「いいの?」
「いいよ。俺が持ってるより瑞稀君に持ってもらってた方がこの子も嬉しそうだし」


瑞稀君の腕に抱かれたぬいぐるみの頭を撫でると、瑞稀君が目を合わせるようにしてぬいぐるみを少し持ち上げた


「……嬉しい。すごく」


そしてぎゅ、と抱き締める姿はその場で抱き締めたくなるほどに可愛くて、胸がぎゅっと締め付けられた

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