誰も見ないで
第2章 嫉妬
正樹の口から出た明らかな正論に俺は黙り込んだ
やっぱりそうだよね
気になってることはちゃんと聞いた方がいいよね
「……わかった。明日も早く来てみて、紺野君がいたら聞いてみる」
俺がそう言うと、また正樹はにやにやしながら俺の頭を撫でた
「偉いな湊斗。成長したな!」
「なにそれ。同い年でしょ」
それから明日の朝も正樹と時間を合わせて一緒に行く約束をして、その日は分かれた
そして次の日の朝
「おはよー正樹」
「おはよう湊斗。ちゃんと起きれたんだ。偉いね」
昨日も言われたなんだか上から目線な感じもするその言い方に少しだけむくれつつ、通学路を一緒に歩く
学校が視界に入るくらいまで近づいたところでつい欠伸を漏らすと
「ふぁ……ぁ」
「眠そうだね湊斗。やっぱり昨日寝れなかった?」
なんて正樹に笑われた
やっぱりってなんだ
別に紺野君のことが気になって寝れなかったってわけじゃない
「普通に早起きしたから眠いだけ」
すると正樹が俺の顔に手を伸ばしてきて、目元を指で拭う
「なに?」
「目ヤニ付いてた。顔ちゃんと洗った?」
「洗った……けど……ごめん。ありがと」
「いいえ」
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