
誰も見ないで
第13章 好きになんて(サイドストーリー2)
身体全体に感じる相原大和の体温と、微かに耳に聞こえる心音
うわ
やばい
自分の異常なほど早い鼓動も聞こえる
そのことに、やっぱりこの想いは相原大和に……と考えたところで
「!?!?」
俺の体の上に乗っているだけだった相原大和の腕に力が入って、ぎゅうと強く抱き締められた
突然のことだったのと、全身を包み込まれるような抱き締め方に心臓がより早くなる
「なっ……なにして……」
俺が言葉を発する間にも相原大和は俺の髪の毛に鼻を埋めるようにもぞもぞ動いて、頭を擦り寄せてきた
その行動にもいちいち落ち着かなくなる
あぁ、もう
いつももっと落ち着いていられるのに……!
「おはよ」
「!」
そして、今度は声をかけられて肩が小さく揺れるほどびっくりしてしまった
「どっか痛かったりしねぇか?」
寝起きの少し掠れたような、怠さを孕んだ声に耳から犯されているような気になる
なんでそんな声出すんだ
「なぁ……聞いてる?」
質問に答えない俺に、相原大和がもぞもぞ位置を調整しながら聞き直してくる
「だ、いじょうぶ、です」
俺がそう言うと相原大和は「んー……」と小さく唸った
