誰も見ないで
第12章 侵入者
それからずっと逃げてた瑞稀君の舌を捕まえて
根元から舐めたら、優しく吸い上げた
くてん、と寄りかかってくる瑞稀君
かわいい
今すぐ暴れだしそうなほどの熱情を抑え込みつつ、俺は瑞稀君の腰に手を回してそのまま持ち上げた
「ふゎ!? あっ……!?」
完全に油断してたのか、変わった声で驚いた瑞稀君をまたかわいいって心の中で考えながら
抱きかかえたせいで俺より少し頭が上にある瑞稀君の首筋に顔を埋めた
いい匂い
俺からはしない
少し甘いような匂い
なんでこんなに、俺と違うの
真っ白な首筋に噛み付くフリをして歯を滑らせながら吸い付く
「ひゃ、あ……っ」
俺の両肩に手を置いて身を縮めるようにして声を上げる瑞稀君を、そのまま歩いて俺の部屋まで運んだ
ベッドの上に座らせるなりすぐに押し倒す
首筋に強く吸い付いて跡を残して、それを離れて確認しようとした俺を
「!?」
首に回ってきた腕に阻止されて、ぐいっと引き寄せられた
突然のことで力を入れるのも間に合わなくてぽふ、と枕に顔が埋まると、首に柔らかくて温かい感触
「みずきく……っ」
そしてそこがツキ、と痛んだ
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