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誰も見ないで

第11章 侵略者


『なんで知ってるの? 瑞稀君とお揃いで買ったやつが、なくなっちゃったんだ。4時間目まで使ってたのに……』


すると正樹からの返信はすぐに届いた


『女の子達が騒いでたよ。赤いやつだって? お揃いだったのか。みんなで犯人探ししてたから、すぐ見つかるといいな』


そしてその中に書かれていた単語に一瞬戸惑う


犯人探し……?


なんだか不安に駆られるその単語に、俺は思わず正樹に電話をかけた


『はい、もしもし』
「正樹? 俺」
『湊斗? なに?』


なに、じゃないよ


「さっきのメール、犯人探しってどういう意味?」


というか、みんなで探してるってなに
俺に見えないお友達でもいるのそれ


『そのままの意味だろ。移動教室でもなく、自分達の教室で使ってた物が落としたりしたぐらいでなくなるなんてあり得ない』


きっぱりと言い切る正樹の言いっぷりに俺は何も口を挟めない


『ということは、誰かが落ちてるのを見つけて勝手に持って行ったか、昼休みか教室開けてた体育の時間に誰かが盗んだかのどっちかだ』


で、でも


「人のシャーペンを持っていくほどお金に困ってる人なんている……?」

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