誰も見ないで
第7章 罪と罰と罪と
そして適当に投げ出されると
「くそが!!!!」
お父さん僕のお腹を力一杯蹴ってきた
「ゔ、ぐ……ぅ、ぶ……」
その衝撃で朝食べたご飯が胃の中から出て行く
あぁ、もったいない
せっかく湊斗君と一緒に食べた食事だったのに
でも蹴られたのがお腹で良かったかな
痣が出来ても学校に行ける
体育はどうにか理由をつけて休んだらいいし
頭の中が妙に冷静なのはこんな状況に慣れてしまっているから
こんなこと、1度や2度なわけじゃない
お父さんが帰って来るといつもこうだから
「……あぁそうだ……瑞稀……金下ろして来いよ……まだ残ってんだろ? なぁ?」
「お金なら引き出しの中にーーー」
「あんなんじゃ足りねぇから言ってんだよ!!!!!」
お父さんはまた叫びながら僕を蹴った
今度は脇腹のあたりに当たって、腰の骨が変な音を立てた気がする
「つかもう面倒クセェからそろそろ通帳とカードも寄越せよ。そしたらわざわざ来なくて良くなんだろうが」
アルコールが切れたのか、僕を蹴っただけでも辛いぐらい体力がないのか
軽い息切れをしながらお父さんは言った
「お前だって俺なんかに会いたくねぇだろ!?!?」
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える