誰も見ないで
第6章 キスの次は
家にある普段俺が使ってるドライヤーのスイッチを入れる
熱くないかな?
自分じゃない人の髪の毛を乾かすのは初めてだから距離感に気をつけつつドライヤーを当てた
「熱かったらすぐ言ってね」
俺が後ろから声をかけると、ドライヤーの音がうるさくて聞こえなかったらしく
「すみません、もう1度……」
と少し振り向き気味に聞かれてしまった
「熱かったら言ってね」
俺は今度はちゃんと聞こえるように耳元に顔を近づけて、少しはっきりした声量で言う
すると瑞稀君は焦ったように
「あ……は、はい……!!」
と前を向いた
「?」
なんでだろ、と考えていたら
あ、かわいい
耳真っ赤っかだ
瑞稀君の耳が高いことに気がついた
熱かったかな
俺はドライヤーをもう少し頭から離しつつ乾かした
ある程度ちゃんと乾かしたら、冷風モードに変えて熱を冷ます
俺はやったことないけど、テレビでこうやった方が髪の毛が傷まないって言ってたんだよね
それに、少しでも長くの瑞稀君に触ってたいし
でも長引かせるのには限界があって、少ししたら髪の毛は完全に乾ききってしまった
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える