誰も見ないで
第5章 好きになんて(サイドストーリー)
少しでも腹の足しになれば、と思って自動販売機で『振って飲むコーヒーゼリー』なるものを買ってみたけど、確実にお腹いっぱいにはならないよね
「はぁ……」
ついてないな、今日
教室に着いたらすぐに飲めるようにコーヒーゼリーを振りながら教室へと歩く
すると、後ろから声をかけられた
「おい」
この感じ
まさか
さらに不運なことが重なるな、とまた心の中でため息を吐きながら振り返る
そこにいたのは俺の予想通り、相原大和だった
「……こんにちは」
俺が挨拶をすると、相原大和は面白そうに笑う
「そう嫌そうな顔するなよ」
そう言われて無茶言うな、と思っていると、相原大和が俺の手元を見た
「ダイエット中? それか大食いなのか?」
「え、あぁ……」
コーヒーゼリーだけで足りるのか、弁当だけじゃ足りないのか
ってこと?
俺は特に隠す必要性も感じなくて
「お弁当忘れちゃったので」
と答えた
「それなのにこんな時間に購買まで買いに行ったのか? そりゃ何にもないだろ」
少し馬鹿にしたような笑い方をされてちょっとムッとした俺は昼休みに2度も職員室へ行ったことを話す
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