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委員長はエッチでした

第6章 天使の笑顔





渡り廊下の自動販売機で
コーヒーを買って
奢れよって
言った癖に
当たり前のように
買ってくれて

人が何人かいたから
騒がしいから
屋上に行った。



誰もいないベンチで
並んで座って
「ん」
コーヒーを渡される。



カシリとお互いあけながら
ニヤリと笑う啓介
頼もしい
友達。



「で?
今度は何があったんだ?」



コーヒーを一口飲んで
ほっと息をつく。



あたしは
思い切って
口を開いた。



「あのね、あたしって、淫乱みたいなんだ」




言った瞬間
啓介はぐっと
飲み込んだコーヒーを
吹きそうになり

盛大に咳き込んだ。



「はあっ?
って、お前らってもう?
嫌、黒崎の性格なら、ずっと嫁に貰うまで、
大事にするって言いそうだぞ?」




そうなんだよ
それなんだよ
黒崎って
そんな感じなんだもん。




「なんか、そういう事したら、駄目って、
思ってるみたいだし、それに……
前にそういう雰囲気になっちゃって、
責任取るみたいな事、言ってたし」



「……やったのか!?」



大袈裟なくらい
驚いて
啓介の切れ長の目が
大きく
みひらかれている。




「……やってくれないから、悩んでるのっ!」




さすがに
こんなこと
言うのは恥ずかしくて
赤面してしまうけど。



「へぇ?
……で、何で淫乱なんだ?」



ニヤリ
からかい混じりの表情で
じっと見つめられる。

これ
絶対面白がっているよ。



分かっているけど
あたしは
頭の中で
考えを
纏めながら
話をする。




「夢を見たの、結城さんに犯される夢。
あたしはずっと嫌がっていたけど、
でも、本当はずっと……
気持ち良くて、
嫌なのに、受け入れてて……
夢だったのに、体はずっと疼いて……
黒崎に、どうにかして欲しいって思うのに……」




「あいつにどうにか、できるわけないだろう?
……あんな場面を見て、今以上に、お前を大事に
しなきゃと思うんだろうよ?
お前の欲求不満は、ずっと解消されない訳だ」



いつになく
突き放されたような
言い方をされて
悲しくなってしまう。

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