
委員長はエッチでした
第6章 天使の笑顔
啓介side
慌てた様子で
教室に戻る彩香
すっかり
優等生の顔に戻ってやがる
そこには
さっきまでの
妖艶な表情は
微塵も感じない
スッキリして
冷静になったんだろうけど
俺は笑いながら
余裕ぶって
彩香の後を歩き
男子トイレの前で別れた。
「先に行っとけ」
彩香を追い払い
男子トイレの
個室に入って
熱い
溜め息をついた。
危なかった
やべえ
やっちまった
危うく
最後まで
やってしまう
ところだった。
熱くてじんじんする
俺の下半身
痛い程に
脈うってる
チャックを開けて
取り出してしごく
「……うっ……はっ……!」
性欲処理
余裕ぶって
何をやってんだ俺は
魔が差したんだ
欲求不満は
セフレで
解消した筈だろ?
だけど
俺は
気付いちまった。
手を激しく動かしながら
頭の中は
彩香の事で
いっぱいなんだ。
「はっ……!彩香……っ」
いったいいつから?
はじめて
会った時から?
俺と同じような境遇で
キョウダイのような感覚で
見守ってあげたいと
思ってて
友達として
傍にいれたら
それで良かった。
どうして
傍にいたいと思うんだ?
ただ陰で
見守るだけでいいだろ?
それこそ
おやじのように
しなやかな体
夢中で俺に
しがみついた彩香
ふわりとした感覚
軟らかい胸
白くて甘い肌
いくときの表情
キスをした瞬間
ヤバいって
予感はあった
俺の中で
何かの
スイッチが
カチリ
音を立てた。
彩香の中の感触
俺の指が
俺の分身のように
あいつの中の感触を
楽しんで
味わった
いれてしまいたい衝動に
何度も堪えて
絶頂を迎えた彩香の表情に
無性に
そそられた。
おやじにそっくりな顔立ち
何だかそれが
やけに
そそられてしまって
妙な罪悪感を覚えた。
おやじの隠し子
あいつの存在が
俺の家庭を壊した。
今では
落ち着いたけど
あいつの顔を見れば
嫌でも思う
おやじの隠し子なんだと
だから
これ以上は駄目だ。
好きになったら
駄目だ。
友人として
黒崎との中を
応援する
それでいい。
あいつだけは
絶対無理だ。
