
二人で一人
第29章 ケンカ
『優っっ!!』
優がぱっとこっちをむいた
「蓮……」
『いままで、どこいってたんだ!?』
俺は優を怒鳴りつけた
俺はずんずんと優に近づいた
『どんだけ心配したと思ってるんだよ!!』
俺はしゃがんで顔を真っ正面から見た
『俺も悪かったと思うけどさ…』
最後は声が消えていた
『なにも
いなくなることないだろ……』
「…………さい…
ごめんなさい…………」
そう言うと泣き出してしまった
『ちょ、優!?』
どうしよう
俺が泣かしたみたいじゃん
あ、俺が泣かしたのか……
じゃなくて!!
『泣くなよ!俺もゴメンって…』
「もう、怒ってないよね…?」
弱々しく優が尋ねる
『怒ってない……』
「う……、うぇーん!!」
優が抱きついてきた
『わぁ////』
な……
急になに!?
「あたし…一人になったかと思った……!!…ヒック…」
『優……』
ここであったことをふと思いだした
『なぁ、優…
ここであったこと覚えてるか?』
「二人で一人…?」
『うん。いったろ……
どっちか一人がかけたらおわりだって……』
「…ぅん…」
優がコクッと頷く
あの時と変わらない…
なんにも変わってないんだ……
