
二人で一人
第15章 一人と墓参り
―蓮の回想―
『ほら、もうなくなよ』
「だってぇ……ぐすっ…」
そうだ。なんにもないとこで優がつまずいて転んで……
『あー、もう』
ハァとため息をつく
「…………?」
『のれよ、おぶってやるから』
「えぇ!?でも…」
『いーから、はやくかえらねーと』
俺たちはこっそり学校をぬけだして公園であそんでいた
『はやく!はやく!』
と優をせかした
優は躊躇したけど、このあとあきらめて俺の背中にのった
「ねぇ…れん…」
『うん?』
「れんはさ、すきなひととかいる?」
ちょっとびっくりした
『ばーか、そんなんいるわけないだろ』
「そっか…そうだよね」
ポソポソしゃべる
すると優が…
「れん…ずっといっしょにいてね……」
急にどうしたんだろう
『あたりまえだろ』
そう答えたのを覚えてる
この時間はもう学校はおわってて家にかえる途中だった
