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風俗課に配属されました

第109章 本條斗真の事情⑬

「妻が風俗課というのは、朝顔先生であっても
心中穏やかではないでしょう」

『寛大な朝顔先生』と言いたかったが
嫌味にも受け取れる発言なので
口にしなかった。

「御察し頂きありがとうございます。
僕が発案した風俗課なのに、こんな形で
咲良を退かせることになってしまい
本当に申し訳ございません」
「申し訳ございません」

寸分の狂いもない同時の御辞儀。

「めでたいことに犠牲は付き物です」

それは俺自身に言い聞かせるようだった。

俺と理佳の結婚は……

理佳の元カレの犠牲の上に
成り立っている。

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