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風俗課に配属されました

第88章 本條斗真の事情⑪

「折角のお話ですがお断りします」

乾杯の前に断りの話を持ち出した。

こうして女性と二人きりで食事をするのは
【HONJOH GROUP】を再始動させて以来
初となる。

今回、華村紅葉の誘いに乗った
理由はひとつ。

俺自身を試したかった。

ここは奥座敷がある
連れ込み料亭。

以前の俺は誘われれば受け入れるし
誘われなくとも自分から誘っていた。

それは食事から身体の関係に至るまで。

そんな俺の印象を払拭したかった。

これまでの行いを考えれば
決して容易いことではないが
理佳への想いが俺をそうさせた。

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