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風俗課に配属されました

第82章 呆気ない別れ

「瑞樹……」

凛子さんも瑞樹さんを抱き返す。

「辛かったな……辛かったよな……」
「大丈夫よ……私は瑞樹と一緒に居られる
だけでいいの……」

昼ドラを観ているような感覚だった。

私……この程度の男に
振り回されていたんだ。

きっとこの二人は同じようなことを
永遠に繰り返すのだろう。

その度にこうして陳腐な愛情表現で
お互いの薄っぺらい想いを確認し合う。

凛子さんの足の甲に
負わせた傷の治療代一万円を
投げるように飛ばし
南家を出ていった。

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