TIME is MONEY
第3章 scene Ⅲ
「うん、だからアパートはもうないよ?」
「……………はい?」
空耳じゃなかったのか
アパート解約だって
そっかー、解約かぁ……って
「何だってぇっ!?」
「だから、帰るとこないよ」
ねぇ、本当に俺が一体何をしたんだよ
何度も繰り返すけど
俺、こんな仕打ち受けるような生き方してないよ
「そういう事だから。……雅紀、にのからレバー離して」
“動くよ“
呆然とした俺を雅紀が抱き締めるように抱え込むと
何もなかったかのように、翔は流れる車の列に再びハンドルを切って合流を掛けた
「かず…大丈夫?」
…雅紀が抱き締めたまま聞いてくるけど
何が大丈夫なんだよ
もう、頭の中ぐちゃぐちゃなんだけど
生田って奴の傍に、こいつらの友達っつー潤がいたとか
ヤクザさん絡みの会社のいざこざはとっくに解決してるとか
…挙げ句に帰ろうと思った俺のアパートが解約されてるとか
いやいやいや
全部一緒にしてんじゃねーよ!!
最重要はアパート解約だろ!
自分で自分に突っ込み入れて、……魂抜けた
クラっとしたと思ったら
あまりのショックに気を失ってしまった…らしい
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える