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Best name ~ 追憶 ~

第5章 あの人に…お似合いの女の子

マナさんは…それこそ茶化す訳でもなく
こんな時は本当に…やさしくて
それでいて的確な事を言う



『アイルさ…不安なの?』



『ぇ・・・』




『リョウキはモテそうだし?
てか、モテるし?

そんな…お盛んな過去もあるし?

とびきり良い女になって
バリバリ気合い入ってないと…不安?』




『そんなの・・・ちがいます』






『フフッ…~でっしょ?

ん~…あたしの考えって言うかさ
あたしがあんたを見てて…ってだけだけど

もっと大人っぽくなりたい…
魅力的になりたい…

気付いてほしい…認められたい

彼氏に…お似合いの彼女になりたい

そんな風に思うのってさ・・・』





やさしいけど

今の私にとって
ズバズバとくる言葉達に

喉をならしてタジタジしていた






『その根底にあるのってさ
なんだかんだで…周りの評価よりも

その彼に…彼だけに
〃喜んでもらいたい〃

ってキモチ・・・それだけじゃないの?♪』





『・・・ムダなこと…ばかりしてます?』





『それは違うよ♪
アイルが楽しんで女の子してるんなら

それはすっごく可愛いくて
良いことだよ』





『でも・・・なのにねマナさん

私…最近可愛くないことばっかしちゃうの』





『逆効果だった?(笑)』





『ぅ・・・効果もなにも、リョウキは』






『ちっとも気付いてくれないし?(笑)って?』






『ぅ…べつに・・・私は…』





『フフン♪…せぇーっかくアイルが

愛する彼の為に努力してるのにね…

ウム…そりゃそーだ、イカンイカン』





『そ、そんなんじゃ…』






私は…ただ

彼に…リョウキにお似合いの女の子に

なりたかっただけ・・・




だけど・・・何をもって

〃お似合い〃と言うのかが

わからなかった



容姿や身なりが大人っぽくて

キレイだったら

彼に釣り合うかな…なんて

彼が…喜ぶのかな、なんて

勝手に思っていたのかもしれない

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