
『甘い蜜』
第43章 甘い蜜 43
「い…、痛いっ!いぃかげん離せよ…っ!」
会長が教室までズカズカと来たかと思えば…
何で俺が無理矢理引っ張られて連れられちゃってんの?
意味わかんねーし…っ!
「…いつまで待たせる気だ。」
そのセリフ…今、言うのかよ。
「…待つって言ったくせに。」
この人…俺の事、好きって言うわりには扱いが酷くない?
…ん?
あれ?そおいえば…
俺、好きって言われたっけ…?
「っ…て、…言われてない。」
「何だ?」
小さく呟いた俺の声に反応した会長が詰め寄ってくる…
「会長、俺の事…好きなの?」
うわっ…、ちか、近いからっ!
顔を上げたら会長の顔が近くて…
でも…何かここで引いちゃいけない気がするから逃げたくない。
「っ…!」
あ、今…一瞬表情が見えたかも。
