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恋と秘密と幼なじみ

第11章 プールの中の恋人

陽姫は喜び勇んで跨がり、祥吾は仕方なく乗る。

「危険ですので手摺りは必ず掴んで離さないで下さい」
「……言われなくてもそうします」

係員に力なく突っ込む。

「3,2,1ゴー!」

係員の合図と共に二人を乗せた浮き輪はスライダーを滑り始める。

「ふわぁああっ!!」
「きゃー!!」

滑りはじめてすぐに大きなカーブがあり、二人の身体は大きく揺れる。
叫んでいるけど陽姫の方は愉快そうに笑っていた。

体勢を整える暇もなく右へ、左へと揺れ、そのまま急降下する。

「わっ! わっ!」

叫ぼうとすると口の中に水飛沫が入り、呼吸することすら困難に陥った。

速度をぐんぐんと上げ、大きく右に触れたとき、

「きゃああっ!?」

陽姫は突然それまでとは違う悲鳴を上げた。

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