TABOO
第4章 *未来へ*
『……美砂を……頼みます……』
『……』
『美砂はここにいるよ。』
レイは涙が止まらなかった……
『……また君は……
ほんとに美砂を愛してるんだな……』
『……はい……愛して居ます……』
『……素直だな……
泣くなよ、もう。君は……
……パパになるのに……』
『……え?……パパ?……』
『私達は出来なかったからな。
間違いなく君と美砂の子供だよ。』
そう言って伸一は
優しく微笑んだ。
伸一は置き土産として、
最後にこの話しを
取っておいた。
『……俺と美砂の……子供……』
『……ああ……
ただもう産まれちまったけどな。
君は立ち会えなかったな。すまない……』
『……いえ、そんな……』
『……いい奴で安心したよ……もう行くから。
美砂と無事に会えたら、
連絡してくれるか?……』
『……はい。勿論です……』
『それじゃ!頑張れよ!』
『……あのほんとに……
有難うございました!俺絶対に、
美砂さんを幸せにします!』
伸一はまた優しく、
レイを見て笑った。
レイはいつまでも
伸一を見送った。
……有難う……ほんとに……
有難うございました……
……美砂……
やっと逢えるね……
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