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スイッチ

第22章 苦くて甘い。




S side



S「智くーん・・・この頃は、2人とも可愛かったなぁ・・・」



嵐と検索すれば、昔の写真もたくさん出てくる。
まだジュニアの頃や、嵐になったばかりの俺らの写真を見て思わず溜め息を吐いた。



O「翔くん・・・巣立った子どもを懐かしむ年老いた親じゃないんだから・・・。」



S「だよね・・・」



俺に抱き着いて、弾けるような笑顔の松潤の写真を見て、また溜め息が出る。



S「でも松潤もニノもホント可愛かったなー。
俺に懐いてくれてたのに・・・
あ、なんか泣きそう。」



O「もう写真見るのやめたら。」



呆れた顔で智くんが酒の入ったグラスをくるくるまわす。



S「この頃は、何でも知ってると思ってたのにな。
今は松潤とニノが何考えてんのか分かんねー・・・」



O「当たり前でしょ。
もう大人だよあいつらは。」



・・・分かってるけどさ。
でも、何かあったら俺を頼ってくれると思ってた。


あんな風に突き離されるなんて思ってなかったんだ。



O「・・・翔くんの恋人になる奴は大変だな。
独占欲強すぎ・・・。」


S「・・・これ独占欲?」


O「そうだろ。相手の事なんでも知りたいなんて。」


S「そうか・・・それが鬱陶しかったのかな・・・」


O「そこまで落ち込むなよ。」



確かに、ヘコみ過ぎだと自分で思う。
でも・・・



S「松潤にバカって言われたんだぞ・・・」


O「ニノにはしょっちゅう言われてるじゃん。」


S「・・・ニノは昔からそういうキャラじゃん。
松潤は、俺の事大好きってずっと言ってくれてたのに!」


O「何年前の話だよ。」


S「そりゃ随分若い頃の話だけど!
でも大好きって言って懐く松潤は可愛かったんだぞ?!
それが今は俺をバカだと・・・
立ち直れない・・・」



自分の弟よりも、愛しいと思ってたのに。





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