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第6章 幸せの足音

飛び込んだオレを見たソウタさん

『おぅリョウキ…なんだ?
仕事じゃないのか?』

『ハァ…な…なんだじゃ…ハァ ないですよ…ハァ
アイルがっ…どうしたんですか?!』

『どうもこうも…
しばらく休ませるつもりだったのに
もう出てくるし。それにあんなだからな』

『?』

店の方に行ってアイルの姿を捉える
あんな…って?
先週のようではなく
元気だとは思うが

オレには
どう〃あんな〃なのかわからなかった


『いつもと全く違う顔してるだろう
ピンピンしてるしなぁ…どう考えたって
オマエの仕業だろうってなぁ~…』

『仕業って…;』

…オレを一体何だと…

全く違う顔?
ソウタさんはアイルの事に敏感だ

体調、気持ち…
わずかな変化に何でも
気付いてしまうんだろう
オレは…少しだけヤケた(笑)

『え?…リョウキ?』

オレ達に気付いたアイルが振り向く
何故だろう?オレを見て静止し
顔を赤らめるアイル

『ソウタさん…お話があります』
『~そうか。アイ…お前も支度なさい』

驚く様子もなく冷静なソウタさん
そのまま昼休憩をとる形で
三人でビリーヴへ行くことになった

ソウタさんが一度奥へ戻る
アイルがチラッとオレを見上げる

『……なんで?』
『わりぃ…ちと予定が狂ったんだ』

『………』
またオレをじっと見るアイル

『何?どした?』
『スーツ姿…初めてみたから…その』

赤い顔でボソッとつぶやいて下を向き
アイルは奥へ支度しに走って行った

オレは少し…かなりテレくさくなる

三人で…ソウタさん
反対側にオレとアイルで座って

オレはアイルと付き合うことになったと
報告をした

アイルはいつもより落ち着かない様子で
モジモジしていた

『そうか…』

『『…』』






『そうか、そうか~。それは良いことだな!!!
良い話だ!!!』

少しの沈黙を破って
いつもの調子でソウタさんが笑う
詮索もせず
余計なことは何一つ言わず
黙って受け入れて歓迎してくれた

『~よかったなぁアイ!』
『…べつに』

『おまっ…;お前なぁ~~!
そういう時はだなぁ~!!!』

ソウタさんが冗談まじりにアイルに説教をする

アイルを見つめるソウタさんの眼差しは
男のオレから見てもなんか微笑ましかった

手短に昼食をとり
ソウタさんに挨拶して
オレは会社に戻ることにした

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