無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

『リョウキ・・・』


ソウタさんがオレを制する。





『いえ･･･いいんです。

本当に…情けない

返す言葉もない。

名ばかりの・・・父親ですから』





少しため息をついて語る…その言葉は。










『本来であれば・・・あの時

娘のしたことを･･･娘を…親として
しっかりと叱責し…反省させ

その上で
正しくやり直す…その道を示してあげる。

それが真っ当な･･･親であったはずです』





『・・・』



『ですが･･･私は
そういった行動をしなかった

・・・できなかった。

あまりに愚かで、未熟でした。

妻の言うまま、全て…妻任せにし

その結果
事もあろうにカツラギさんに…

今日(こんにち)に至ってまで
カツラギさんに・・・』





『･･････。』






『私がとった行動は

本当に…事務的といいますか
…体裁的なことばかりでした。

相手方への･･･色々であったり
言ってしまえば〃火消し〃です。

アイルの・・・娘の気持ちなど

向き合おう･･･などと

考えていなかったと…
言わざるを得ません。

もっと言えば
・・・わからなかったんです。』






『え･･････』






『仕事を理由に
家庭も省みず・・・そんな私は

娘の考えている事がわからなかった
…何を思い・・・何を求めているのか

何故……あんなことをしたのか
全く、わからなかったんです。

娘のことも･･････なに一つ』





『聞いて･･････あげれば

良かったんじゃ･･･ないんですか？…っ』






〃･･････あ。〃






『･･･リョウキっ・・・』




再びソウタさんに止められる。





オレは･･････正直



だんだん・・・ムカムカしてきて。