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Best name

第30章 それぞれの、生きる場所…

【試合終了直後】


〃やった…やった!すごいっ…!

ほんとうに勝つなんて…〃


興奮覚めやまぬアイルが席をはなれて
すぐに走り出した


〃リョウキの・・・一番みたかった
リョウキの笑顔(カオ)がみれた…〃


少し涙を拭いながら
アイルが階段を駆け降りる



〃少しなら…会えるかな?…会いたい
会って…今、この場で
おめでとうって…言いたい〃



人混みを抜けて
アイルは体育館を出ようとするが…






ボスっ……。





『っっ……』



角を曲がる所で人にぶつかる




『ぁ…っ…、ごめんなさいっ…』



アイルが一礼して顔を上げると…



〃え?〃









ズラリ…。





とおせんぼ…



と言うように、4~5人の女が並ぶ




「ねぇ…アナタ?」



真ん中の一人が口を開く







「タキガワくんの…お知り合い?」





『ぇ…』



「ファン?」



〃ファン・・・って…〃



「結婚したって情報はないわよ~?」
「じゃあ、まさか~」


他の数名も口々に言い出す



「・・・彼女
な~んて…言わないわよね?」


『…』


〃笑顔が……コワイ…んだけどな…?〃


アイルが苦笑いしそうに
ピクっと尻込みする


気付けばぐるっと
周りを囲まれて八方塞がり



〃なんか…間違っても『ハイ』とは
言っちゃマズイ感じがするのは
気のせいかなぁ…〃



『ぁ…のぉ~……みなさんは…?』

アイルが恐る恐る問いかける



「あたし達はぁっ!!!その昔から!
タキガワくんが高校生のときから
ファンクラブやってて~!!
ずっと応援してきたのよっ!!!」

「まさかのあんな形で引退って~…
もぉどれだけ泣いたかっ」

「それが復帰するって情報が入ったから!」

「もぉ嬉しくてっ!ここに再結成したのよ!」




『…~~~』


〃激しい。色々と…なんか激しい…〃


『じゃぁ…みなさんが
噂のファンクラブの…』



「えっ?!アナタ
私達のこと知ってるの!?」


『ぁ…ぃぇ
写真とか…みせてもらったことが』


「そうそう!もうねぇ~~…って
アンタもファンなの!?」


『え…ぁ…はぃ。まぁ』


「~~あやしいわね?!」


『ぇ…え~』

〃ウソ…ってこともないけど…どうしよう〃

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