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第29章 星屑の幸せ

『ふふっ・・・
アイツ〃男クサイ〃からね♪

家族にも…
ボクにも何も言ってくれなかったけど

ん~・・・チームに対する罪悪感
責任感ゆえの絶望感。

自分への…絶望・・・情けなさ
色んな…感情があっただろうね。

二度と…同じ高みには立てない…。

それを…未練を残さないために
潔く・・・断ち切ったんだと思うよ…』




『でもっ・・・大切に

一途に・・・必死に頑張ってきた事を

どうしてそんな・・・』




〃例えば私が…手をケガして

今の仕事が・・・もう

同じようには出来ないと言われたら

私は…黙って身を引けるだろうか…〃




『……そういう
厳しい世界だってことも

誰よりもリョウキが
知っていたからじゃないかな…。

これはボクの考えだけど

アイツはまっすぐで…
柔和で健全な精神の持ち主だけど…。

その分…〃プライド〃だって
持っていたハズ

半端なコトは…嫌いなんだろうね。

~それに加えて…
当時ハタチのリョウキは

色~んな・・・〃厳しい現実〃

色んな・・・〃仕打ち〃も
見たんじゃないかな?』





『・・・仕打ち…?』




『…数え切れないほど
スカウトをよこした

チームも…企業も
アイツのケガを知って
次々に手のひらを返していく。

ま…中には、別の…一般社員として
そのまま内定くれるって所も
あったみたいだけど?

…リョウキにしてみたら
そのために、その会社に
入るハズじゃなかっただろうし

〃使い物にならない〃って
レッテルはられて
そこに行くなんて…ね。

どちらにしたって
青春の全てを捧げた…

一番やりたい…成したいことが
できないんだから…』






『そんな・・・こと・・・って…~~~っ』



〃20歳のリョウキのみた…絶望〃




アイルが目を覆った。




『~~ふふっ…妹チャン

泣かないの~…ホラホラ。

ごめんね~こんな話。…驚いた?』





『……はぃ。

すごく・・・グスっ…っく』






『~アイツの復帰を

信じて待つ人は沢山いたけどね…。

まぁ、リョウキの決めたことだから…』






『・・・・・ケイゴさんも?』







『え……?』



アイルの一声に
ケイゴが一瞬だけ真顔になる






〃このお兄さん

この・・・お兄さんは…〃

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