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第27章 嫉妬

アイルのお尻に
ひたりと手があてられる。



『っっ・・・!!』



『あぁ、ごめんごめん!アイちゃん
狭いとつい、ぶつかっちゃって…ごめんね』



『・・・』



『ハハハハっ!~アイちゃん?
そんなマジになんないでよ~!?

ほんのジョークでしょ?
通じないなぁ~!

まぁ、そこが君のカワイイとこだけどね?
ハハハハ!』




『・・・・・』











バタン・・・!!






…バックルームのドアが開いて

カイトが両手に

荷物を抱えて出てくる






『すんません通ります~
すんませんね~!・・・』



カイトがわざと
アイルとニシノの間を通って
割り入った。




『お?ニシノさんですやん?
どうも♪コンチワ!』




『あぁ、どうも…』




『へぇ…ニシノさん~
笑い好きなんでっか?

なんやジョークが好きやとかって?
ほんならオレのがネタは多いでっせ♪?

オレ、トリリンガルやし?
ネタも豊富なんで♪交ぜてんか~?(笑)』





『トリリンガル?
へぇ…すごいね?
何と何話せるの?』




『日本語、英語・・・~それと

関西弁もいけますねぇ!♪』






『ハハッ!…これはこれは~…
次の機会にお願いするよ。それじゃ…』




『まいど!おおきに~!』




カイトの出現で
ニシノは店を出ていった。








カイトが両手の荷物を
ドサドサと床に投げ出して
少しため息をついた。









『~… … … アイル?』


『・・・』





『アイル・・・お前…』




『予約のお客さん…もうすぐ来るから
ソレ・・・片しておいてね…?お願い…』




アイルは話をそらすように
床の荷物を差すと


青白い顔をして
小走りにトイレに駆け込んでいった。

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