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Best name

第16章 未来へ

思わず大の字になって寝転んだ

…アイルの足音がする


『リョウキ…熱、はかるよ?』

『あぁ、うん』



『37.1℃…だいぶ…下がったね』

『マジでカナリ楽。…アイル?サンキューな
何から何まで、すげぇ助かった』



『ぉ‥大げさだな。私はべつに‥
~~ごはん?食べよう?』

『~…ハラ…減った』


『ほんと?よかった!‥なによりだよ
すぐに用意する。…食べたいものある?』

『う…ん何でも。…あ、けどアレ…食いたい』


『…?…。茶碗蒸し?…わかった!作るね』

下準備でもしてたのだろうか?
ものの数十分もしないうちに
アイルが食事を運んでくる

それも、また沢山の種類のものを少しずつ
これまた彩り良く並べられて

『いいニオイ。うまそう…』

『ふふ…熱下がってきたからね
沢山食べれるといいね。~どれ食べる?』


『ソレ…おかゆ?』

『あ、うん
たまごのと、梅…ほうれん草…
少しずつでも良いから食べてみて?』

『スゲー、豪華なのな…ふふ』

『体力おちてるもの…
色んなもの食べた方がいいよ…ハイ。……?』

アイルが器に入ったお粥とスプーンを差し出す

『リョウキ……?…ハイ。…?』

オレは敢えて…動かず…
じっとアイルを見つめてみる
…イタズラな目で

アイルがキョトンとしてオレをみていた

オレ…懲りないな?


『……あーーん』


『ちょ……りょおき…』
『?あーん。…』

(笑)

『お…起き上がれるんだしっ…
自分で食べてよ……ハイ』

『やだ。…じゃー食わない』


真っ赤な顔のアイル
オレは…どさくさでバカなことをして
アイルを困らせて甘えてみた


『~~…。ハイ…あーん
…よく噛んで…ゆっくり』

『・・・ウマイ。
それ…ピンクのやつ食いたい
梅だっけ?』

アイルが健気なのをイイことに
オレは…大バカだぜ

けど…なんか最高だ(笑)
バチが当たらないとイイ


『味…わかるようになったね?よかった…
茶碗蒸したべる?』

『ん。~…メチャうまい、コレ…』



『んふ…よかった。少し薄味かもしれないけど』

『ちょーどいい。…』

ベッドの端に浅く腰掛けるアイルを
抱き寄せてみた
アイルが目を丸くして驚く

『ちょっ…と…っ、こぼれる…リョウキっ』

『…幸せだナァ…』


『こんな…ときに…』

本音だったけどな

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